第16章 厳罰に処する
退さんと一緒に行ったあの旅行の帰り道…
どうしても寄れなかったあの場所に今、私は帰ってきている。
佐藤
「ゔっ…」
思っていた以上に"実家"はひどい有様だった。
玄関の扉を開けた瞬間から、
乾いた血液が一面に広がっていた。
私は大好きだった実家から逃げ出し、
近くの沢に逃げてきた。
佐藤
「ゔぅ…ンァああああッ!!!」
実家に帰ってくれば、
母さんが優しく迎えてくれるって、
思っていた自分がいた…
また家族みんなと笑いあえると思ってた……
私はうずくまり地面に広がる大きな砂利を鷲掴みにして、
力一杯握った。
佐藤
「全部…全部私のせい!!!!!
私が死なないでなんで皆が………」