第4章 テンテコ舞い
山崎
「佐藤さん!どうしたの!?」
佐藤
「!!」
何処から湧いて出てきたのか分からないけど、
山崎さんが目の前に立ちはだかった。
山崎
「こんな時間に何処にいくつもり?」
佐藤
「……ハァハァハァ…
お願いします…行かせてください……」
山崎
「それはどう捉えれば良い?
脱走?それとも…」
あの優しかった山崎さんは、
もう私の目の前には居ない。
険しい表情を浮かべている。
佐藤
「……外出です…!
外出の規制は…無いって聞いたので……」
山崎
「それは隊士だけ。女中は非番じゃない限り、
20時以降の外出は禁止されてるよ、規約読んでないの?」
佐藤
「……」
読んでなかった…
(…規約なんて貰ったっけ?)