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Sweet Love*

第94章 *好きだから*〜紫原敦〜 request


香奈side


「…寝ちゃった。」


隣で眠る敦君を見て、はぁ、とため息を吐く。
敦君とは一応付き合ってるけど、恋人らしい事はした事がない。

いや、お家デートならした事がある。
実際、今だってその真っ最中だ。
だけど、敦君はお菓子を食べてすぐに寝ちゃった。


「敦君は、あたしの事…好き?」


ここまで進展してないと、さすがに不安になる。
あたし達、本当に付き合ってるのかな?

もしかしたら、しょうがなく付き合ってくれてるだけ?
そんな気持ちさえ脳裏をよぎる。

…ダメだ、そんな風に考えたくない。
信じたい。
…けど、悲しいし寂しい。


「少しくらい、いいよね。」


それでも勇気がなくて、面と向かって言えないあたしは、寝てる敦君の頬にそっとキスする。
…反応しない。

それで少し安心し、今度は額にした。
唇を離し、敦君の顔を見た時。


「…ちん、そこじゃないっしょ。」


敦君が、目を開いていた。


「っ⁉あ、敦君、起きてたの…?」


どうしよう。
起きたと気づいた瞬間、顔が赤くなる。


「ご…ごめんね…」


「なんでちんが謝んのー?」


「だって…ね、寝てると思って変な事しちゃったし…」


恥ずかしさと申し訳なさで、敦君から視線をそらして俯く。


「え、それダメな事なのー?俺、今からもっとダメな事しようとしてるけど。」


「へ…?」


でも、返ってきたのは予想とは違う言葉だった。
敦君、怒ってない…のかな?


「それ、どういう…っ」


そこまで言って、言葉が途切れた。
初めての感覚に戸惑う一方で、何をされたのか分からなかったけど、少しして理解する。

私…キス、された?


「俺、ちんの事好きだし、別にこれくらいしてもいいよー」


そういう敦君の頬は、ほんのり赤く染まってて。


「あ、…ありがと…っ」


好きでいてくれてるってことが再確認できて、私の頬が緩んだ。


*好きだから*

好きだから、
君相手になら、
何されてもいいよ。
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