第85章 *君の言葉*〜宮地清志〜
香奈side
「清志くーん!おはようっ!」
「お、おう…っ」
清志君の、照れた顔が好き。
「お前、また緑間に好きって言ってただろ…」
「あ、ご、ごめんね…。でも、本当に好きなのは、清志君だけだから!」
嫉妬した時の、拗ねた顔が好き。
「清志君っ!お昼一緒に食べよー」
「ああ。」
話しかけた時の、嬉しそうな顔が好き。
清志君の表情は、私の言葉で変わってくれる。
そんな彼の表情一つ一つが、私は好き。
誰よりも大好き。
でも、そんな私にも、弱い表情っていうのはあるんです。
例えば、まさに、今の表情…かな。
「あの…き、清志君?」
『…ホワイトデーチョコ。』
とだけ言って、チョコを渡された私は、『ありがとうっ!清志君大好き!』と言った。
なのに突然、『好きなだけかよ?』と言って、抱きしめられてしまったのだ。
そして、今に至る。
「清志君、どうしたの…?」
私のその言葉で、清志君が腕の力を緩め、私と顔を合わせる。
そう、この時の顔に…私は弱い。
真剣で、真っ直ぐで…
「俺は、愛してる。」
笑ってるその顔に。
「っ…わ、私も愛して…るよっ」
私をこんなにドキドキさせられるのは、他でもない、清志君だけだよ。
*君の言葉*
君の言葉で、変わる表情。
君の瞳には、
それは、どう映ってるのかな?