第45章 *無自覚バレンタイン*〜笠松幸男〜
香奈side
香奈「ゆきちゃんっ」
放課後、隣のクラスに行くと、私の彼氏はすぐに反応してくれた。
笠「香奈。…帰るか。」
香奈「うん!」
今日はお互い部活が休みだから、久々に一緒に帰れる。
そういえば、今では一緒に帰るのも平気だけど、最初会った時は話すのさえ全然出来なかったなぁ。
見てるだけだったゆきちゃんにこんな可愛い一面があるなんて、知らなかったし。
今となっては、ゆきちゃんもかなり慣れてきて、話したり、一緒に帰ったり…友達とするような事くらいは平気になったけど。
笠「久しぶりだな、お前と帰るの。」
香奈「そうだね!もっと一緒に居たいよー。」
ふざけて腕を絡めると、真っ赤になるゆきちゃん。
恋人らしい事はまだ慣れないみたい。
私はもうちょっと進展したいんだけど、ゆきちゃんに合わせて、少しずつにする事にした。
笠「は、離せ////」
香奈「だって…最近全然ゆきちゃんに触れなかったから。」
ちなみに、手を繋ぐのはもうしたけど、これは初めて。
ゆきちゃんは相当緊張してるみたい。
香奈「ゆきちゃーん…この後暇?」
笠「…何もない////」
香奈「なら、うち来ない?今日親いないんだ!」
ニコッと笑顔でゆきちゃんを見ると、さらに顔を真っ赤にして頷いた。
香奈「いいの!?」
笠「いいっつってんだろ…////」
それからは、早く家に着いてほしくて、家に着くまでが長く感じた。
香奈「たっだいまー!」
笠「お邪魔します…」
香奈「こっちこっちー!」
あまり来る事がなくて不慣れなのか、ドアの前で戸惑ってたゆきちゃんの手を引っ張った。
香奈「じゃあ、ちょっとだけ待っててね!」
笠「…ん////」
そういえば、ゆきちゃんを部屋に入れるのは初めてかも。
ゆきちゃんの部屋には行った事あるけど。
うちに来ても、居間で過ごしてたしなぁ…。
そんな事を考えつつ、私は自分の部屋を後にした。