第2章 プロローグ
この世界には様々な人間がいる。
誰1人として同じ顔、同じ体型、同じ思考、同じ能力を持っている事はない。
"自分"が確立された世界であり、こんな素晴らしい世界は他にないとさえ思う。
人間という生き物は素晴らしいもので、他人と他人が恋に落ち、そして新しい生命が生まれる。
その新しい生命がやがて成長し、さらに他人と恋に落ちまた新たな生命を生む。
そうやって人類は何十億を超えるまでに増え続けてきた。
が、誰しもがそういう考えを持っているわけではない。
だからこそ生涯独身で過ごす人も増え、その結果が現在の少子高齢化に繋がっているのだ。
どちらの考えも、理解出来ないわけではない。
生命を宿すという素敵な事がある前提には、他人と自分の生涯を共有しないといけないからだ。
そんな他人と出会える事は偶然の中の偶然でしかない。
世間ではこれをこう呼ぶ人間もいる。
運命だ、と。