第31章 学園祭の時間④
ステージからまぁを見る。
まぁに、届いているのか…?
俺を真っ直ぐに見てくれているまぁの側に浅野君が来た。
一瞬俺の目を見た浅野君は、次の瞬間、まぁを抱きしめる。
俺は一瞬、声が出なくなったが、みんなと歌うパートだったため、なんとかしのいだ。
すぐにまぁが浅野君から距離を取り、体育館を出て行く。
俺はそのまま何とか二曲目も唄いきった…。
体育館裏ーー。
はぁ…はぁ…。
お兄ちゃん…。私、やっぱりお兄ちゃんの事が、好き……ズキンッ……。うっ…。痛い…。
頭が割れそうだ…。
余計な事は考えるな…そう言われてる気がする。
そうだ…。私に余計な事は必要ない。
今日はもうこれで終わりだ。
帰ろう…。
私は学秀にメールした。
お世話になりました。家に帰るから心配しないで。と。
そしてそのまま私はシロの元に向かった。
その日、私は家に帰る事はなかった…。
二日目…。学園祭にすら出なかった。
週明けーー。
メンテナンスを終え、私はそのままクラスに行った。
学秀が驚いて私に何か話している。
昼休み。ひなのや桃花が私を呼び出し、心配したと言っていた。
けど、どれも私の心には響かない。
だって私には…。もう、復讐さえやり遂げればそれでいいんだから。