第15章 再会
「は?」
千石のこの言葉にフリーズする一同。
「...何故?」
かろうじて返すフェリシア。
「だってフェリシアちゃん可愛いし、バトル強いし運動神経あるし、君が要れば今年こそヤマブキだって全国大会で優勝出来そうだし」
「聞き捨てならないね。今年も優勝するのは俺達リッカイだ。それに、フェリは俺達の仲間だ」
「そうだそうだ!」
千石の意見に反論する幸村と赤也。
「...申し訳ないけど、元々私は留学生だから、そう簡単に転校なんか出来ないわ。ここに下宿しているのだって、パパが白波博士のことを信頼しているからだし。それに...」
フェリシアは一旦言葉を切ると、微笑みながら幸村達を見つめた。
「...私、リッカイの皆が大好きだから!」
迷いのない真っ直ぐな瞳に見つめられ、幸村達は恥ずかしいやら嬉しいやら。
「あっちゃあ~フラれちゃった。アンラッキー」
心底残念な様子の千石。
「でも、俺諦めないからね!」
何だか燃えている千石に、フェリシア達は苦笑するしか無かった。
「じゃあ千石先輩、帰るですよ!」
「あれ、もう帰るの?」
「はいです。このあと練習なので...」
「そっか。それなら仕方ないね」
「改めて、ありがとうございましたです」
「ふふ、どーいたしまして」
「次は、僕ともバトルしてくださいです!」
「えぇ、勿論よ!」
「あぁ~フェリシアちゃんまたねぇ~!」
「ヒコ...」(二度と来んな...)
キラキラと目を輝かせる太一に、この子も将来が楽しみになりそうだとフェリシアは密かに思うのだった。