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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第85章 無いものねだり




生徒たちが楽しみにしていた林間合宿は、最悪の結果で幕を閉じた。
毒ガスによる意識不明者15名。
重・軽傷者12名。
行方不明1名。
プロヒーローのうち、1名が重体。
1名が大量の血痕を残し、行方不明。
翌日早朝、雄英では緊急職員会議が開かれることとなった。


「敵活性化の恐れ…という我々の認識が甘すぎた。奴らは既に戦争を始めていた。ヒーロー社会を壊す戦争をさ」


校長はこの状況の対応にある程度見通しが立っているのか、普段と変わらない微笑を豆粒サイズの口に浮かべて、口火を切った。
今までの「屈さぬ姿勢」はもう取れない。
雄英史上、前代未聞の大失態。
現在メディアは雄英への非難でもちきりであり、オールマイト就任時とは比にならない人だかりがたった今も校門に出来上がってしまっている状態だ。


「信頼云々ってことでこの際言わせてもらうがよ」


そう発言したのは、不機嫌そうに眉間にしわを深く作ったプレゼント・マイクだ。


「今回で決定的になったぜ。いるだろ、内通者。合宿先は教師陣とプッシーキャッツしか知らなかった!怪しいのはこれだけじゃねぇ、ケータイの位置情報なり使えば生徒にだって…!」
「やめてよマイク」
「やめてたまるか!洗おうぜ、この際てってー的に!!」
「おまえは自分が100%シロだという証拠を出せるか?お互い疑心暗鬼となり内側から崩壊していく、内通者探しは焦って行うべきじゃない」


熱い議論が交わされる職員会議。
渋い顔を続けていたオールマイトの携帯に、着信が入った。



<でーんーわーがー来た!!>
「あっ、すみません電話が」
(((着信音ダサ…)))


職員たちの視線を背に受けながら、オールマイトが廊下へと出て電話を取った。
直後、耳に届いたのは旧知の友人の言葉だった。


「…すまん、何だい塚内くん」
<今雄英教師二人から調書を取っていたんだが、思わぬ進展があった。ヴィラン連合の居場所、突き止められるかもしれない>
「……!」
<「裏」が取れ次第、すぐにカチ込む!これは極秘事項…君だから話してる。今回の救出・掃討作戦君の力も貸してくれ!>


そんな親友の言葉に。
オールマイトは息を呑み、言葉を返した。
























「塚内くん、私はーーー」

















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