第40章 世間は狭い
「おー深晴!はよ!」
「はよー向……おぉ」
「………。」
『おはよ、3人とも。なんか新鮮な感じするね』
待ち合わせ時刻の11時より5分ほど早く、指定場所に現れた向を見て、上鳴、切島、爆豪は押し黙った。
『……?』
「「「………。」」」
良い。
良いな。
なんて顔を見合わせてジャッジを下している切島と上鳴の言葉の意味に気づき、向はほっと胸を撫で下ろした。
「当たり前ェだろ、俺が」
と言いかけた爆豪の足を躊躇いなく向が踏み抜き、歩き始めた切島と上鳴の背後で二人のサイレント乱闘が繰り広げられる。
「俺昨日考えてたんだけどさー、マック行った後本屋行って、カラオケ行かね?」
「おぉ、カラオケありだな。どうよ?爆豪、向」
「なんかど突き合ってんな、おい仲良く!仲良くしなさい!!」
「るせェアホ面、てめェは黙ってろ!!」
「俺のアホ面は今関係ねぇし!!あっ……黙ってろといえばおまえら昨日のトーク、あの後しばらく俺招待しなかっただろ!!切島はだいぶ前からまた招待されてたって聞いたけど!!集合場所と時間決めたの深夜1時ですけど!?グループトーク作った本人がハブかれるって前代未聞だから!!」
「いやー悪い!俺招待されてんの気づかず寝落ちしててさ。おまえ誘えなかったわ」
「深晴は!?黙って大人しく招待されんの待ってたのに、なんで俺招待し直したの朝方!?」
『ちょっと面白くなっちゃって』
「何が!?ハブくのが!?」
『落ち着いてよ、勝己からかって遊んでたら、気づいたらこう………忘れてた』
「そんな感じしたよ!!仕方なくまた同じメンバーでグループトーク作って深夜1時に集合場所と時間俺がメッセージ送って、今朝方思い出したかのようにおまえらのトークに招待されててって……なんなの?グループトーク全く同じメンバーで2つ作っちゃったんですけど?君ら俺が夜中に場所と時間決めなかったら今ここにいないから!!」
「るっせェよ、てめェが何度も通知鳴らすからだろ」
「2つ目のグループトークの上鳴の第一声、切なかったよな」
『うん、「俺たち、友達だろ…?」って流石に心が痛んだ』
「悪かったって上鳴、仲良く、仲良くな?」
「黙って歩け」
「これが黙っていられるかー!!!」