第1章 事故
「今日もゼミかあ…。由美ちゃんは、夏期講習のテキストやったの?」
私は、同じゼミに通う由美ちゃんと一緒にゼミに向かう。
「桃山さん…やってないの?」
私は俯きながら、コクンと頷いた。
由美ちゃんは、ふふっと笑い、
「しゃあないな。」
ブウウウン…
「!?」
歩道橋に車が突っ込んできた。
勢いよく、私の身体は宙に舞った。
「桃山さん大丈夫ですか…って…あ、桃山さん……。」
身体全身に強い痛みが走る。
「桃山さんっ!!桃山さんっ!!」
(あれ、これは私の血…。)
真夏の太陽に照らされて、赤い血飛沫がキラキラと輝いた。