第1章 *空*
.
置いといてって言われた食器を洗い終わって
.
.
残りのビールをゴクゴク飲み干した
.
.
.
苦い・・・
.
.
.
しばらくキッチンに座って
.
和くんを見てた
.
.
.
最後だと思うと
.
中々立ち上がれない・・・
.
.
.
和くんの姿を目に焼き付けるように
.
見てたけど
.
.
.
ふ~っと息を吐いて立ち上がって
.
後ろから愛しい背中をギューっと抱きしめた
.
.
.
和「なに(笑)どしたの」
.
「帰るね」
.
腕をほどいて
.
.
今度は前から抱きしめた
.
和「ちょっ、あっ」
.
.
アタフタとコントローラーでゲームを一時停止して
.
和「危ね~やられそうになった(笑)」
.
「ふふ(笑)ごめんね、もうしないから」
.
.
腕を緩めて
.
和くんの顔を見たら泣いてしまいそうで
.
.
.
チュっとキスをして立ち上がった
.
.
和くんも立とうとしたけど
.
肩を押さえて
.
「ここでいいから・・・ね?」
.
和「そ?」
.
「(笑)うん・・・・・・では、さようなら」
.