第16章 学秀の時間
髪を乾かし、まぁが出てくる。
学秀『まぁはベッドで寝ろ。僕はソファーで寝る。』
『や、ダメだよ!私がソファーで寝るから!』
学秀『ケガ人が何を言っている!』
『じゃぁ、一緒にベッドで寝よ…。それならいいでしょ?』
学秀『…わかった。』
セミダブルのベッドに入る。
気まづい…。
その時、後ろから学秀に抱きしめられる。
『学…秀?』
学秀『さっきはすまなかった…。いくらケガをしているとはいえ…。思春期の男女がすることではなかったな。
反省している。』
『嫌じゃ…なかった。
学秀に触れられるのが…。でも、まだそれが、恋愛の好きなのか…幼馴染としての好きなのかが分からないの。
だから…もう少しだけ、考えさせてほしい。』
学秀『返事は急がない。真剣に僕のことを考えてくれる気持ちが嬉しい…。』
そういうと、そのまま何も話さなくなった。
翌朝。他の生徒に見つからない内に、私は学秀が手配したタクシーに乗り、E組の旅館へ着いた。
カルマ『まぁ!』
タクシーから降りるとカルマとひなのが待ってくれていた。
ひなの『まぁ〜!寂しかったよぉ〜!』
『ひなの〜!私も寂しかったよ〜!』
カルマ『俺のこと忘れないでよねぇ?』
『カルマも、朝早くから待ってくれてたんだ!ありがと!』
そう言って、ニッコリ微笑む。
私はタクシーの運転手さんにお礼を言っている。
カルマ『そんな笑顔向けられたら、キスしちゃいそうだよ…。』
ひなの『えっ?ってかやっぱり、カルマ君はまぁが好きなの?』
カルマ『そうだよ!でもって、浅野君と取り合ってる感じかな?』
ひなの『なるほどなるほど〜。』
『ひなの、どうしたの?』
ひなの『何でもないよねぇ!カルマ君!』
カルマ『だね!さ、朝ごはん食べに行こ。』
色んな事があった修学旅行は無事に終わった。