第13章 球技大会の時間
E組から送られてきたメンバー表を確認する。
学秀『やはりまぁはバスケか。』
球技大会当日…。
私達は緊張をかくせない。
相手チームは、学秀以外、全員バスケ部だ…。
そして…私をマークするのは…。
学秀『おそいな…こんなことでは僕からボールは取る事はできない。』
早い…バスケ部でもここまで動けているのはキャプテンや副キャプテンだけだ…。
必死に学秀に喰らいつく。身体がぶつかり、私は床に手をつく。
学秀『大丈夫か…まぁ…。いや、桃宮。』
『だ、大丈夫だよ。このくらい…。』
学秀『怪我でもされれば迷惑だからな。』
よかった…。綺麗な肌に傷などつけたくない…。
不謹慎ではあるが、まぁとの距離が近い。
あれからまぁに近寄る事は皆無。会話をするのもないに等しい。
だが今は、ボールを取り合う際、身体が触れる事もしばしば。
まぁのシャンプーの匂いがする…。
ますます欲しくてたまらなくなる…。
カルマ『まぁ、パス!』
放送『おっと、赤羽!桃宮からのパスを受け取り、ダンクシュート!』
放送『おっと、磯貝、バスケ部に囲まれている!打つ手なしかぁ?』
磯貝『まぁ、行くぞ!』
『おっけー!』
私は磯貝君からのパスを受け取り、1、2でカルマと前原君が組んだ腕をトランポリン代わりにダンクシュートを決める。
『ひなの?いくよ!』
ひなの『任せて!』
学秀『そうはさせるか!』
私は行く手を学秀に防がれたため、瞬時に背を向け、渚にパスを出そうとするが、後ろから抱きしめられそうな体勢でボールを奪われてしまう。
くそっ…!
すぐに学秀を追う。
学秀『誰のボールを奪えると思っているんだ?』
『負けない!絶対に!』
残り時間2分…。
点数は2点差でA組が勝っている。