第29章 カルマオチ②
E組教室ーー。
『失礼するよ。』
その聞き覚えのある声に、コロ先生は瞬時に人間に変装する。
現れたのは、理事長先生と、彼の息子。浅野学秀。
学峯『突然すまないね。少し話が合ってきたんだ。
みんな期末テストに向けて頑張ってるそうだね。
桃宮まぁさん、突然ですが、期末テストで私の息子が総合1位を取れば、あなたはA組に戻り、君の彼氏の赤羽君とは別れてもらう。
高校を卒業を機に、浅野家へ嫁いでもらう。
安心して下さい。君のご両親には報告している。』
『えっ…?』
学秀『な、何を勝手に…?』
カルマ『まぁの気持ちは完全にスルーなわけ?』
学峯『強者は弱者を自由に使える。私の教育論だ。』
カルマ『要するに、俺が1位取れば問題ないわけでしょ?』
学峯『楽しみにしているよ。』
そう言って理事長先生は出て行った。
『学秀……。』
学秀『すまない…。
こんなことは言いたくないが、君達に依頼がある。
単刀直入に言う。あの怪物を、君達に殺してほしい。』
学秀から突然舞い込んだ、理事長暗殺の依頼…。
学秀『もちろん物理的に殺してほしいわけじゃない。
殺してほしいのは…あいつの教育方針だ。』
『教育方針って…どうやって?』
学秀『簡単な話だ。次の期末で君達に上位を独占してほしい。
むろん1位は僕になるが、優秀な生徒が優秀な成績でも意味がない。
君達のようなゴミクズがA組を上回ってこそ、理事長の教育をぶち壊せる。』