第26章 学秀オチ③
学秀『まぁ、行ってこい…。僕はここにいる。』
そう言って私に優しく微笑む。
『行ってきます。』
みんながコロ先生の触手を握る。
『こうやったら逃げられないんだよね?』
コロ『はい。桃宮さん。握る力が弱いのが心配ですけどねぇ。』
みんなが再度、強くコロ先生の触手を握り直した。
片岡『ネクタイの下…心臓だよね?
最後は…誰が?』
みんながお互いの顔を見合わせる。
渚『お願い。みんな。僕にやらせて。』
みんなが渚に頷く。
コロ『さて…みなさん。いよいよですね。
1人ひとりにお別れの言葉を言っていたら24時間あっても足りません。
長い会話は不要です。
最後に、出席を取ります。1人ひとり先生の目を見て大きな声で返事をして下さい。』
コロ『と、その前に先生方に挨拶をしておかなくては…。
イリーナ先生、参加しなくていいんですか?賞金獲得のチャンスなのに』
イリーナ『私はもう充分もらった。ガキ共からも、あんたからも。沢山の経験と絆を。
この暗殺は、あんたとガキ共の絆だわ。』
ニコっと微笑むコロ先生。
コロ『そして、烏丸先生、あなたこそが生徒たちをこんなに成長させてくれた。
これからも…彼らの相談に乗ってあげて下さい。』
烏丸『ああ。おまえには散々苦労させられたが、この一年は一生忘れることはない。
さよならだ。コロ先生。』
嬉しそうに笑うコロ先生。
コロ『そして浅野君。君とこうして会うのは初めてですね。
ですが、私は君の事をよく聞いていましたよ。
君の担任ではなかったけれど、君もこの一年で大きく成長したはずです。
桃宮さんと、末長くお幸せに。』
学秀『…ありがとうございます。』
またも嬉しそうに微笑むコロ先生に、私は胸を締め付けられた。