第12章 自由で、天然で、でも………
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「っ、んん〜…」
少しの空腹から意識が戻ってきて
目をこすってゆっくり開けると雅紀のベッドの上で目覚めた
身なりは全て綺麗にされていていつも泊まりの時用に置いてある俺のパジャマが着せられていた
肌とかのベタつきも感じないこの状態に、俺が意識を飛ばしたあと甲斐甲斐しく世話をしてくれる雅紀の姿が容易に想像出来て口元が緩んだ
隣で眠る雅紀も嬉しそうに口元が緩んでてそれを見るだけで幸せもさらに大きく感じて
「……ありがとう…」
普段、あまり素直に言えない言葉を眠る彼に向けて呟いた
聞こえてるのか、と思うほどに口角があがったけど夢でも見ているようでむにゃむにゃと何か聞き取れない言葉を言ってはまた寝息が聞こえてくる
…嫉妬した俺を可愛い、とか言うのなんてお前くらいなんだから、これからもずっと俺のこと大事にしてよね?
俺も、雅紀のこと大事にするから…
雅紀の誕生日には俺も頑張ってお祝いするよ
幸せな誕生日をありがとう、雅紀……
なんて感傷にふけっていたら小さく、腹の虫が鳴った
「腹減ったな…」
あ、ケーキ食べかけだったんだっけ…
「せっかく作ってくれたんだから、全部食べてやるか…」
幸せそうに眠る雅紀の頬にキスをして、風船いっぱいのリビングに向かい手作りケーキでまた幸せを噛み締めた
- end -