第9章 逢いたくて…
「…っ、はぁ、は……っ」
「………はぁあ…っ…」
何度果てたかわからないほどお互いがお互いを求め続けていた俺たち
あがる息の音だけが寝室に響く
ナカに納まったままだった翔ちゃんのものが抜けると汗にまみれた体が重なる
「雅紀…っ、ごめん…がっついて…」
「いや…嬉しかったからいいよ…っ…」
いつも冷静で優しい翔ちゃんが何回も求めてくれることなんていままでなかったのに今回は求めてくれて
それがただただ嬉しくて仕方なくて
完全に脱力して俺に全体重かける翔ちゃんが愛おしくてぎゅっと抱きしめた
「はぁ〜…雅紀ぃ…っ」
「……ん…?」
「俺も……逢いたくて仕方なかったんだからな…っ…雅紀ばっかりじゃないって、わかってくれた…?」
まさかあの何回も愛してくれたのはそれを教えてくれるため…?
そうわかると脱力感よりも充足感が溢れてきて
「……何笑ってんの?」
俺はニヤついていたらしい
少し訝しげに覗く翔ちゃんが唇を尖らせていうその様が可愛くてまた笑ってしまう
「も〜…なんか言えよ〜…っ… 」
「ごめんごめん…素直に、同じ気持ちだったって知ってただ嬉しくて…」
「……なら、いいけど…」
そう言うと重なっていた体をゆっくり起こし額に触れる翔ちゃんの唇
「来年も、再来年も…多分またしばらく海外行ったりするけど…俺は絶対雅紀のところに帰って来るから…これからも、よろしく…」
「…こちらこそ、よろしくね…翔ちゃん…愛してる…」
今度は唇に降ってきたキスを受けてお互いどちらからともなく眠りに落ちていった
- end -