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あの柚子の実がなる頃に。
第7章 鎖。 颯side
すてた。
その単語はなかなか俺の脳まで届かなくてやっと届いた時、俺はショックを受けた。
『ふっ。
5歳頃まで施設でそだったんです。
その頃から友達もいなくて、1人ぼっちで。
その施設の近くには、大きな柚子の木があったんです。
いつもその木の下で暗くなるまで1人で遊んでた。
そんなときです。パパとママが私を見つけてくれたのは』
[2人に出会ってなかったら、今頃どうなっていたんだろう]
この前そういった彼女の言葉の意味が、分かった気がした。
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