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ただのパンダのお引っ越し

第11章 私とパンダと空のむこう



会社に辞表を叩きつけた。
無責任だ社会人失格だと散々言われたけど、必要な引き継ぎはやったんだし、気にしないことにした。
お前なんかどこに行ってもダメだとも言われた。少し前までの私ならそうだったかもしれないし、その言葉を真に受けてあれこれ悩んだかもしれない。
でも今はそんなことに構っているヒマもないのだ。

家は解約した。中途解約だから大家さんに渋られたが、なんとか済ませてくれた。
中国に行くのだと言うとずい分驚かれて、そんなの大丈夫なのか、家族は、仕事は、とさんざん聞かれた。

家財は全部売っぱらった。売っぱらったと言っても、引き取り料を取られたものも大分ある。
あまりに全部処分しすぎて、大家さんにまた質問攻めにあった。

故郷の母には、中国の田舎に行くから連絡はあまり取れなくなると電話で伝え、今の私が送れるだけのお金を送った。体に気をつけて、とだけ言われた。

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