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ただのパンダのお引っ越し

第9章 動物園でご対面



「すごい人だな…」
動物園の前まで来た伊豆くんは、また驚嘆の声を上げた。
しかしこれには私も同意せざるを得ない。確かに、すっごい、人の海だ!

パンダの母子は現在、先着順で貰える観覧整理券を手に入れた人しか見ることができない。モタモタしてその整理券を手に入れられなかったら悲劇なので、開園の30分前に来たのだが、すでに長蛇の列である。

「電車に乗ってるときも思ったが、本当に人間って数が多いよな。パンダは絶滅しかかっていると聞いたが」
「人間は繁殖力旺盛だからね〜」
「確かにな、オレも桃浜が止めさえしなければ電車の中であのまま」
「その話やめて」


列に並んで動物園の入場券を買い、さらにしばらく待った。伊豆くんは列に並ぶのにすぐ飽きてウロチョロしたがるので、引き止めておくのが大変だった。
最近話に聞く、小さな子どもを繋ぎ留めておくのに使う紐、ハーネス?あれが欲しい。いやペットなんだから普通に首輪と鎖でいいか。あ、そういうプレイやってみたいかも。

集中力散漫な男の面倒を見てヒイヒイ言っていたら、ついに開園の時刻になった。ゾロゾロと進む人の列。
整理券は無事ゲットできたので、ホッと胸をなでおろした。
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