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ただのパンダのお引っ越し

第4章 夢の肉球マッサージ



夕飯を終えた私は、TVの前でダラダラしていた。愚痴を吐いてお風呂に入ってご飯も食べたら気持ちは落ち着いたけれど、慣れない力仕事に晒された体はまだ悲鳴を上げている。

「マッサージして欲しい、誰か、マッサージ…」

ふと、私の横ででべりと寝そべるパンダが目に入った。
伊豆くんも食事を終えた後はすぐにパンダ姿に戻って、私の横でダラダラをキメこんでいた。

「ねえ伊豆くん、ちょっとマッサージしてくれない?」

伊豆くんは顔を上げキョトンとした。マッサージが何なのか、よくわかっていないのだろう。
身振り手振りで脚の揉み方を伝えると、「まかせろ」と言いたげにガッツポーズ(のようなもの)をした。くっ、かわいい。

「じゃ、お願いね」

肉球でマッサージされるって、どんな感じだろう。
パンダにマッサージしてもらえるなんて世界で私だけだぞきっと。

そう思ってニヤニヤしていたら、脚にガリッという感触が走った。

「ギャーッ!」

飛び上がって叫んだ。なんだよ今の。

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