• テキストサイズ

解読不能ーanotherー

第4章 4 眠った裏フィルム


世界は荒廃した。
生命は枯渇し、あらゆるものが悪に染まり果てた。
そんな絶望に満ちた世界の本の一握りの希望達。
すべての頼みの綱は[終焉戦争]を打破せんと動いた若者達の手に委ねられた。
追記:[終焉戦争]打破を目的とした組織のリーダーは一般市民の少女だった。
そして最後に、この[終焉戦争]の結末は……※※※※※※※※※※※※※※※※※※。

そしてフィルムはそれから先の物語を紡ぐ。

……ザーッ

降りしきる雨の中、誰かが街を駆け抜ける。

「はっ……はぁっ、はっ……」

バチャンバチャッバチャッ…ビシャッ

路地裏で、誰かが倒れ込んだ。

左目に、竜の鱗を形どったような眼帯がかいまみえる。

その誰かは、派手な装飾をあしらった服を黒いコートで隠していた。

まるで素性が知れるのを防ぎたいが為のように。

不意に、誰かは、首から下がったペンダントをギュッと握り締めた。

金色に縁取られた、青い、円形の石だ。

だが、そのペンダントには何かが足りないように見える。
何故そう思うのかはわからないが、
不思議とそう思えてならない。

「こんなんじゃ、ほんと、世話、ねぇなぁ、は、は…」

誰かは、壁づたいにずるずると傾き、固いコンクリートへと身を預け、その青い瞳を閉じた。


本を開いた狐はその目を細める。

目次は未だ白紙だ。


[終焉戦争]は再び現れるのか。
そしてそれを組織するのはなんなのか。
[終焉戦争]を今度こそ終わらせられるのか。

フィルムはここで一旦終わりのようだ。


/ 19ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp