第16章 激おこプンプン丸
夕刻…
私は妖怪呉服店に着物を取りに行った。
「おまたせ致しました。」
女将さんは、
白い生地に薄ピンクの綺麗な小花が
散りばめられた着物を私に渡してきた。
美菜
「素敵…」
「そのお着物は、
この仕立てを頼まれた方の亡き奥様の形見の品でございます…」
美菜
「亡き奥様?」
「貴女と同じ人間の方だと先代の女将から伺っております…
とても美味しそうな方だったと…」
美菜
「えっ(;´д`)」
「すみません失礼な事を私は…
ゴホンッ…そのお着物は…
貴女と同じお見合いの時に仕立てたもののようですので、
これも何かの縁…大切にされてくださいね。」
美菜
「……」
女将さんは、
私にその着物の他に帯や髪飾り…といろいろ持たせてくれた。
美菜
「いろいろと、ありがとうございました。」
「いいえ、こちらこそ。
良いご縁がありますように…」
長居はせず、すぐ店を後にした。
そうでもしなきゃ私は……