第2章 薄紅色
彼女は何を想って死んでいったのだろうか…
"ズルッ…ズッ……ズッ………"
平太さんが、
彼女の骨と皮だけの腕を掴み
神楽殿から…
"ガシャン!"
彼女を下に投げ落とした。
美菜
「………」
立派に生贄になった彼女の亡骸をゴミのように投げ捨てた…
いったい彼女は何の為に犠牲になったのか…
彼女の事を想うと胸が痛む。
平太
「よし、
ここに正座で座れ。」
平太さんは、彼女が最期を迎えた場所に座るように指示を出す。
(一緒の場所…)
その床を見ると…
他の場所より汚れが酷く
代々生贄の娘が…ここで最期を迎えているんだなと悟った瞬間…
(死にたくない…)
そう、
ぜったいに誤魔化せない感情が込み上げてきた。
美菜
「……いや……」
平太
「あ?なんだ?」
美菜
「嫌です!わたし…死にたくない!!
生贄なんてなりたくない!生きたい!!!」