第15章 逃避行
もう少しで神無くんの唇が私の唇に触れそうな瞬間、
ノアくんが現れた。
神無
「誰だお前!!」
神無くんは自分の背中の方に私を隠した。
ノア
『えと…男💜』
神無
『そんなの見れば分かる。
…村の奴の回し者か!?
それとも……』
ノア
『それとも何?
何なら良いわけ??』
神無
「……」
ノアくんは神無を見下すように見つめる。
(あれ?ノアくん…なんか雰囲気が…)
ノア
『お前…好きな女が生贄として此処に連れて来られた時…
翌日…翌翌日…何処で何してた?』
神無
「…それは…」
ノア
『行きたくても行けなかった…
現実を直視出来なかった…
自分が可愛かった…だろ?』
神無
「………」
ノア
『なんで答えられないんだよ…
とても残念だ…
お前が美菜を大切に出来そうなら
今日、このままお前に託して行くつもりだったのに。』
美菜
「!!」
ノア
『だけど気が変わった…
お前に美菜は託せない。』
神無
「なんだよ!託す託さないって…
お前、何様だよ!ハッキリ言えよ!!」