第2章 薄紅色
慣れない草鞋で山道を歩くのに疲れてきたころ、
目的地の廃神社の神楽殿にたどり着いた。
村長
「着いたぞ、それじゃ…さっそくするかの。
おい、平太、美菜の手首と足首を縄で縛ってやっておくれ。
キツく固くじゃぞ。」
平太
「はいよ。」
平太さんは私より3つ年上で神無くんのお兄さんだ。
なかなか切れなさそうな紐を手に持ち、ゆっくりと
私に近付いてくる。
(そっか…このまま神楽殿に置いていったら逃げちゃうもんね…)
村長
「美菜よ、神楽殿にあがりなさい。」
美菜
「はい…」
私は今にでも消えてしまいそうな声で返事をし、
縄を持った平太さんと一緒にボロボロの神楽殿にあがる…と……
美菜
「 ッ!!」
平太
「……ビックリするだろ?
でも今年はまだ綺麗な方だからな…
頼むから来年の為に綺麗に腐れよ……」