第2章 薄紅色
私は母さんと父さんに連れられ、
村長の家に戻ってきた。
"ザワザワザワザワッ…"
その場にいた村人たち達に次々と美しいと褒めてもらっなり、
今以上に村が発展するように神さまに頼んで欲しいと言われたり…
みんな、最後まで私の事なんて案じている様子なんてなかった。
村長
「こりぁ…見事な……
歴代の生贄のおなごの中でも一番じゃ……
きっと山の神も大喜びになるぞ!!
繁栄は約束されたようなもんじゃ!!!」
"おぉーーーっ!!!"
村長の言葉に村人達は歓喜する。
村長
「それではそろそろ行くかいな…」
選ばれた村の男6人と村長と私で
村に隣接する山の中腹にある
古びた神社の神楽殿へと向かい歩き出した。
母
「美菜ー!」
父
「美菜ーッ!!」
どんどん離れていく村長の家の方から
真実の父さんや母さんの声が聞こえてきた。
本当は母さんだって父さんだって………
でも私は…
気付かないフリをして唇を噛み締め振り向かずに歩いた。