第2章 薄紅色
普段洋装をしている私にとって白装束はなんというか…
少し不思議な感覚がする。
母
「美菜…綺麗よ……」
一通りの支度を終えた私を見て、
村長の家で不安そうにしていた表情とは違い
母さんの表情は穏やかになっている。
きっと自分達の命…
"人間の尊厳"が守られると安堵しているからだろう。
父
「母さん…美菜の唇に紅をさしてあげなさい。」
父さんも顔つきが穏やかになっている。
母
「そうね!ちょうど美菜に似合う色を持っているのよ!
待ってなさい、今、持ってきてあげるわね。」
美菜
「……ありがとう…」