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インソムニア.

第1章 通称地獄谷





村長
「美菜!!」







村長が私に気付いた。







そして…






母さんや父さんに向けられていた村人たちの注目が一気に私を襲う。









美菜
「 …ハァハァハァ… 」









「美菜!何処に行っていたの!!」








母さんが立ち上がり私に駆け寄ってきた。








美菜
「ごめんなさい…」








そして父さんも私に駆け寄ってきた。








「良かった!!良かった…良かった……」







(あんなに怒っていたけど、

やっぱり心配していてくれたんだね(*´ω`*))









「美菜、よくお聞き。

あなたはね、名誉ある生贄に選ばれたのよ!」








美菜
「え…」








「良かった良かった…

お前が村から脱走していたらと思ったら

生きた心地がしなかったんだ…」









(え…なに……どういう………)









夕食の時に私に言ってくれた言葉とは正反対の事を言う父さん。

母さんは村人達の様子を伺いながら、

私がどこにも行かないようにと腕を掴んで離さない。








"トスッ…トスッ…トスッ……"









そんな私達の元に村長がやってきた。









村長
「美菜、親に心配をかけさせてはいけないよ。

分かったのなら早く白装束に着替えて来なさい…」







村長は私の右肩をポンポンと軽く叩いた。








美菜
「………」









「美菜、早く家に戻って支度をしましょう。

きちんと綺麗にしてあげるからね…」









「そうだ、母さん。

アレを髪に挿してあげなさい…」










「蝶の…かんざしですね…

きっと、よく似合うわよ美菜…」









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