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インソムニア.

第12章 ヤドカリ





【千助目線】





ノアが大人のお店に消え、

美菜と2人きりになった。




美菜
「………」




美菜は、

この世界のものが何もかも珍しいのか…

身なりも…自分が人間という事も気にせず…

目を輝かせ眺めている。




千助
「………」




そんな横顔を見ていると、

俺は…役人という立場を忘れ

この娘の全てを独り占めしてしまいたくなってきた。





千助
「美菜、今夜の宿の事なんだけど…」





役人なら…民間の宿に泊まってと言わないといけない。





美菜
「あっ…はい。」





役人なら心を鬼にして

妖怪が営む宿に泊まってと言わないといけない。






千助
「…美菜が良ければ…

俺の家にくる?」





俺は…ノアよりずっと冷静だって思ってたけど…

全然冷静じゃなかった。





美菜
「え?良いんですか!?

うわー、ありがとうございます(*´ω`*)」






誰も頼るひとが居ない不安定な環境にいる彼女が、

絶対に俺の誘いを断らないという自信があっての確信犯だ…






千助
「それじゃあ、行こうか。」





美菜
「はい」







役人…はぁ……失格だ…







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