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インソムニア.

第11章 刻印





美菜
「ハァハァハァ…」





鳥居に飛び込んだ私の目に飛び込んできた景色は…


夜のように暗い空に不気味な赤月が輝き、


赤黒い空間に田んぼや茅葺屋根のおうちが並ぶ…


赤い月を除けば、そう田舎の夜…そんな感じだ。







美菜
「ハァハァハァ…此処は…」







そして強烈な血液のような生臭さが鼻をつく

呆然と立ち尽くしていると…









「お疲れ様…大変だったみたいだな。」







美菜
「?」







声のする方を見たら、

着物を着崩した男の人が鳥居の柱に寄りかかり立っていた。








「俺は妖界の門の番人…番(つがい)だ。

今後、沢山関わるようになると思うから覚えておいて損はないと思うぞ〜」







美菜
「…はじめまして…美菜です…

あの、宜しくお願いします……」







私はペコっと頭を下げた。








「こちらこそ…よろしく。

で、さっそくだが…その金棒はどーした?」







私が胸に抱いている金棒を不思議そうにゆび指す番(つがい)さん。








美菜
「あっ…これは、途中で出逢った青鬼さんから貰ったんです…」







「貰った!?」







番さんは驚いた表情を浮かべる







美菜
「私の身なりが粗末だから…新しい着物をこれでと……(;´д`)」








「いやいやこれ…着物どころか…

土地付き一戸建てに…

300年以上の年貢が納められるぞ(・□・;)

どんな色仕掛けしたら貰えた?

身体でも売ったか?」






(えっ!?Σ(゚д゚lll)

そんなに凄いの!?この金棒…)








美菜
「いぇ…私は何も……」








番(つがい)
「…美菜さん、どうだろう…

お見合いは蹴って、俺と夫婦にならないか………

絶対に大切にしてやるから。」








美菜
「(´⊙ω⊙`)」







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