第6章 欲しがり
夕陽が空を染めはじめたころ、
わたしは腹を決めた。
美菜
「お母さん。
大切な息子さん、預からせてもらっても良いですか?」
簡単な気持ちで決めたんじゃない。
私の迷う心を前向きに変えたのは、
やっぱり…ノアくんが私にしてくれた事だった。
母犬
「ありがとうございます!!
やったぁ…やっと厄病神が…あっ……
…ありがとうございます!!
このご恩は一生忘れません…」
(あれ?いまお母さん…
自分の息子を厄病神って言わなかった?(;´д`))
何かを悟っ末吉さんは四つ足で踏ん張り
私の所に来るのを拒んでいる。
そんな末吉のお尻を母犬は鼻で無理矢理押し、
私にどんどん近付けてきた。
末吉
「ママっ!!やめてっ!!ママッ!!ママッー!」
母犬
「ワガママを言わないでちょうだい!!
早く…お行き!!」
( ……(・ω・`) )
なんだか…
親から疎まれている末吉くんが可哀想に思えてきて、
目に薄っすら涙が込み上げてきた…