第7章 【財前切甘】素直
「光!放課後、教室にいてほしいの。うざいって思ってもいいから、最後にするから、お願いね…。」
昼休み、結菜が俺のところにくるとそう言い残して行った。
俺、これ逃したら二度とチャンスないやろな…
そう思って、放課後人気が無くなるまで教室で待っとった。
そして二人になったとき、結菜から声をかけてくれた―…
「聞いてね?あたし、クールな光が好き。だから軽くあしらわれても光の性格だからって我慢してた。だけど、もぅ我慢できない…。あたし、光が好きなのっ…」
やばい。めっちゃ嬉しいわ…
「ごめんな。俺捻くれとるから素直になれへんかった。…一回しか言わないからよく聞いときぃ。」
結菜に近づく。
そして、
"結菜、好きやで。"
って耳元で囁いてやったら、
泣きながら、
笑いながら、
大好きって
言ってくれた。
それが嬉しくて、
俺もぅあかんわ…
染まる頬が隠せへん。
隠せへん代わりに、
ぎゅって、抱きしめた。
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