第5章 葵の花
1時20分。
約束の時間まであと10分。
待ちきれなくて着いた待ち合わせ場所にはもう彼が居て。
夜「よっ、お疲れ」
春華「うん、お疲れ様」
夜「んじゃ、行くか」
自然と繋がれる右手。
そこから伝わる温度が心地よくて自然と頬が緩む。
学校の外、冬休み、いつもと違う場所。
何度か重ねたデートだって、毎回こんなに楽しく過ごせるのは、
いつだって特別な誰かが居てくれたからだ。
世間一般にどんな冬休みを過ごすかなんてわからないけど、
私達は受験生。
甘ーいイチャイチャラブラブしていられるような時期じゃない。
という事で、今日は図書館でお勉強会という名のデートなのです。