第3章 受験必勝法
"中3のお正月は無いと言っても良いくらいだ"
父が言っていた言葉を思い出す。
そして、その言葉が私に合っているのかどうか...
自分自身に問いかけてみる
「...いや、違うな。」
今の私にその言葉は無縁のものだった
池田春華にとって、豊黒中学校最後の正月...それは、とてもゆっくりとしたものだった
今までと何ら変わらない。
親戚の家に行って、お年玉も貰う
あとは寝正月。または、空気を読んで買い物に出向く
そんなことをして、もう三日がたつ
祖母「...そーいや...春華は高校何処なの?」
1月三日、昼過ぎ。
おばあちゃんの一言でようやく、母、私共に私が受験生だと気づく
「あー....えっと........」
私は歯切れが悪そうに視線をそらす
母「この子、一応私立専願なのよ。」
祖母「へぇ...!で、何処なの?」
思い出した。
そういや、先月私立の願書を出した...
私はおもむろに、その高校名を口にした
「___白鳥沢.......」
おばあちゃんはその一言を聞いて、大いに喜ぶ
祖母「あらー!まぁ、春華は頭が良いから絶対合格するわよ!」
「ハハハー...」
私はかわいた笑いしか出来なかった
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白鳥沢の入試試験まで、
あと30日を切っていた。