第1章 1章
先生「レッド」
「なんですか」
先生「すまない」
数メートル離れていた金剛先生が俺の体に抱きついていた
これはまずい、だいぶ内側が壊れてきているみたいだ
「金剛…?」
金剛先生は顔を伏せたまま動かない
「……よし……よし…」
手袋をはめた手でゆっくりと金剛先生の頭を撫でる
金剛先生は動かずにしばらく抱きついたままだ
何故こんなにも最近金剛先生は脆いのだろうか
もしかして
「フォスフォフィライト……」
ピクリと金剛先生が反応した
やっぱりか
「金剛、フォスフォフィライトは最年少だし脆いしちょっと馬鹿だけど、貴方を好きなのはみんなと変わらないのよ」
人間の女性的な言葉を紡ぐ
先生「……分かってる」
「そう、ならよかった」
なんて
何も変わってないのに、何も解決していないのに
金剛先生、貴方はそんなにも安心なさるのですね
なら
ならいっそのこと、二人だけで
“博士”と貴方だけで暮らせていけたなら
先生「ありがとう……」
レッド、と言葉を繋げることはなく、お礼を言う貴方を俺は酷くずるく思えます
部屋を出てしばらくぼぅっとした後に武器のフラッグを手に取り自室へと入る
朝寝をする予定だったが昼寝に変更だ