【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第13章 暗号
櫻「あ、お嬢様、そろそろお食事のお時間…」
美羽「わかってるわよっ」
松「明日に備えてモリモリ食べとかないとですね~?」
美羽「アンタはうるさいっ」
櫻「…」
明日、か。
本当にこの指輪を…
美羽「…櫻井も、立ち会うんだからね」
櫻「え。でも…」
俺は姉には会わせられないんじゃ…?つか、こんだけ下心ありまくりの元専属執事、会わせたらダメじゃね?
美羽「いーのよっ。コレを勧めた責任があるんだから。もし姉様が気に入らなかったら、全部あなたのせいにしてやるわっ」
櫻・松「…」
おい?(笑)
松「明日…このまま渡して大丈夫なんすか?」
美羽「?どういう意味よ。渡すわよ、今度こそ」
松「ねえ?先輩」
櫻「…。!」
そうだ。
そうだった!この指輪には俺の穢れた思惑だけでなく、窃盗犯の粘土まみれの指紋、そして――…
櫻「お、お嬢様っ!渡すのちょっと待って下さいっ」
美羽「何よ、櫻井まで。嫌よ、待たない!ようやく決心が着いたんだから、明日渡すのっ!!」
何が何でも明日渡すという美羽を、せめてクリーニングしてから!と何とか説得。誰の手に触れたかもわからないものを、そのまま大事なお姉様にプレゼントしていいんですか!と。
とりあえず決戦の日は持ち越しになったが…
『その指輪実は、ウッカリ犬にくわえられて、危うく胃袋に収まっちゃうところだったんですよ~』
なんてことはね。うん。
言いませんよ、もちろんッ!!(今度こそ俺らの身が危ういわっ)