第12章 刻まれた文字

一部欠けた文字

“∞”

…メビウスの輪、でしょ？コレ。メビウスループ。“永遠”って意味の。途切れてたら…意味ないじゃんね（まさか“エイト”じゃないだろうし）。

ここまで苦労したからには、こちらとしても完璧なものを贈って頂きたいのだが…。


松「…あれ。これ、もしかして…」
美羽「！」
櫻「なに？」
松「や、だってコレ…どう見てももとからですよ。この彫り。このまんまだと∞の誤植みたいだけど、ほら。こうして指輪を縦に見たら――」

バキッ！！

松「ってぇっ！！何すん…ですかっ！おじょーさまっ！？」
美羽「うるさいっ！黙りなさいよ、アンタはっ！！もうここはいいから、アンタはアッチ行ってて！」
松「言われなくても行くわ、病院にっ！あ～…ぜってーアバラ折れてる、これ…」
美羽「大袈裟なのよっ！」
櫻「…」


縦に見たら？縦…

…


数字の“８”？

でも上下途切れてるから、どっちかって言えば…“Ｓ”？

アルファベットのＳ。

それが、文字を挟むようにふたつ…


って

まさか




…おいおい


それはまさかだろ。