第11章 〜光の教会〜
解呪されてから数日後…。
ある日の放課後。
『ねぇ、まぁ、今日これからデートしない?』
『デ、デート…?』
『だって俺たち、クラス公認のカップルじゃん!』
『うっ…。だけど…、ちゃんと告白とか、そぉゆうの、したわけでもないし、確かにキスはしたけど…。あれは解呪のために仕方なくで……。』
『う〜ん?分かった!ぢゃ、今日のデート決まりねぇ〜!さっさとホームルーム終わらせてよ!コロ先生!』
『にゅやっ!!分かりました。それでは帰りのホームルームを始めます!』
デ、デート…!!!
カルマと2人きりっ……。ヤバイ…あのキス以来まともに目も合わせられないのに…。どうしよう…。
『それではみなさん、また明日。』
『まぁ!ほら、行くよ!』
『う、うん…』
西のはずれの森…。
『カルマ、どこまで行くの…?』
『ん?もうちょっと。』
(こんな場所、初めて来たな…。)
『さ、着いたよ。俺の秘密の場所!』
木々が生い茂る中に、こじんまりと、小さな白い教会があった。
『さ、入るよ!』
『えっ?ちょっと…』
決して広いわけではないが、白を基調とし、前方には、日の光で透けたステンドグラスが一面に施され、来るもの全てを光で包み込むような、温かみのある内装。
その中央には、女神カラナの石像が胸に手を当あて、幸せそうに微笑んでいる…。
『素敵…』
『でしょ!偶然見つけて、ふらっとたまに来るようになった俺の秘密の場所!』
『この教会には、言い伝えがあるらしいんだけど……。
先代女神カラナは、人間と精霊、全てを平等に敬い、愛する世界を望んでいた。その先代女神カラナが愛を誓った場所らしいんだ。』
『そうなんだ…。先代の女神カラナは、とても温かい人だったんだね!』
『うん、この場所は、誰でも来る人にその心を教えてくれるような、そんな場所らしいんだ。
だから、まぁには、教えてあげたかったんだ。』
『そうだったんだ。嬉しい!ありがとう!カルマ!』
あのキス以来、初めて真っ直ぐにカルマを見つめてお礼を言う。