第1章 〜先生は魔王?〜
『ここからは機密事項なので口外しないで欲しいのだが、魔王のすばやさは普通ではありえない。
…おそらく、バグだ!』
『バグ!!?』
『あぁ…バグとは知ってのとおり、神の意図しないことが起こってしまう現象だ。こいつのすばやさは数値にして99999。存在しないはずの値だ。』
【魔王:すばやさ 9999】9
(数値がウィンドウからはみ出してる!!!)
『これでは誰の攻撃も当てられん。』
『そんな…』
『…ところが唯一、攻撃が当てられるかもしれない方法がある。』
E組(!!?)
『それが、君たちE組のバグめいた魔法や技だ。』
『はぁっ!?俺たちの技がバグ?!』
魔王『君達は落ちこぼれなわかじゃありません。むしろ特別な人間なんです。』
『例えば磯貝君。君が防具を前半分だけ買えるのもバグです。』
磯貝『ええっ?俺が貧乏だからじゃなくて!?』
『はい。貧乏だろうが金持ちだろうが、防具を前半分だけ買うことはできません。それは、磯貝君だけの特権です。』
磯貝(そんな特権いらないんですけど…)
『じゃあ、オレがトイレ周りの物しか装備できないのも?』
『私の魔法に虫が寄ってくるのも?』
『私が魔法使った後、甘えたになるのも?』
『バグです。』
『私の胸が小さいのも…』
『拾ったエロ本が捨てられないのも…』
『それは残念ながらバグじゃありません。』
烏丸『いいか。どんな攻撃も効かないバグを持つ魔王。
こいつを倒すには、同じバグを持つ君たちの力が必要なんだ。』
『ヌルフフフフ。そこで私が国へ提案しました。君たちE組の生徒を私が倒せるレベルまで育ててもいいと…。』
(なんで……)
『圧倒的な強さ…これほど孤独を感じるものはありません。早く私と対等に戦える者が現れてほしい…。』
烏丸『こいつの狙いは分からん。だが…君たち生徒に危害を加えないことを条件に、国は魔王がE組の担任をすることを認めた。バグをもって、バグを制す。魔王を殺すため、君たちの力を貸してくれ!』
『…そ、そんなこと急に言われても……』
こうして、混乱の中、私たちは魔王の授業を受けることになったのだった。