第5章 揺らぐ関係…からの安定…?
「ここだよ!!」
菊丸は笑顔で言った。
そう、そこはマカロンの専門店の、「キューティーマカロン」なのだ。
この名前を聞いたことがない人がいないくらい、有名な店。
「キューティーマカロンだ!!すごーい!!マカロンがいっぱいある!!可愛い~!!」
羅夢音は満面の笑みで言った。
(ヤバ……羅夢音っち可愛すぎ……)
「羅夢音っちマカロン好きなんでしょ?俺が奢るよ!!」
菊丸が言うと、
「え?いいんですか!?嬉しいです!それじゃあ、お言葉に甘えちゃいます!!」
羅夢音は即答した。
「((ドキッ う、うん!羅夢音っちが喜んでくれるなら……///」
やっぱり俺羅夢音っちのこと好きだな~!!
うん、不二に負けたくない!!
「うわぁ……どれにしようかなぁ~!これ可愛い~!!あ、これも!」
羅夢音はマカロンの前から離れない。
「羅夢音っちはほんとにマカロン好きなんだね。俺は食べたことないからわかんないけど……」
菊丸はさりげなく羅夢音の横に立った。
羅夢音は鈍いようで、なんとも思うこともなく……
「確かに、男の子からはあんまり聞かないですね。ひとつひとつ小さいけど高いし……。でも、私はマカロンが好きなんです。しかも、菊丸先輩から奢っていただけるなんて……!」
羅夢音は幸せそうに言った。
菊丸は、そんな羅夢音を見ているだけで、満足だった。
今、羅夢音の笑顔を自分だけのものにしているんだと。