Welcome to our party abr 気象系BL
第16章 たまゆら by のさまじょ&millie
雅紀…
ねぇ…聴こえる?
今年も俺、来たよ。
「潤…どう?元気にしてる?」
とっても元気だよ。
「よかった…元気そうで」
雅紀は、ちょっと痩せた?
「そうかな…最近、忙しくて…」
また、無理に身体鍛えてるんじゃないの?
「無理はしてないよ…」
ちょっと苦笑いしながら、俺を見上げてる。
「潤は…無理してない?」
そうだね…ちょっとだけ無理してるよ。
「だめだよ…無理しちゃ…心配になる…」
でも、ちょっとくらい無理しないとさ。
「ん…わかってるよ…?わかってるけど、心配になるよ…」
ネクタイを少し緩める。
眩しそうに、また俺を見上げた。
「潤が変わらずにいてくれるだけで、俺、頑張れるから…」
今日もこれから仕事なのかな…
俺のプレゼントした大きなビジネスバッグを横においてる。
スーツの皺を伸ばしながら、雅紀は立ちあがった。
「…今日はまた夕方くるよ…」
そう言って、朝もやの中、雅紀は去っていった。
出口の柵を開けると、また雅紀は俺を振り返った。
「行ってくるね…潤」