• テキストサイズ

Welcome to our party abr 気象系BL

第14章 ~ Tie it forever ~ by ガーベラ♡


あの日も、今日のように朝から暑い日だった。

俺と翔は、図書館で勉強するために、
駅前で待ち合わせていた。

信号待ちをしていた俺は、
近くにいた子どもの帽子が、
風に舞うのを見た。

「あっ!」

俺は咄嗟にその帽子を掴もうと、
手を伸ばし無意識に車道に出てしまった。

「潤、危ない!」



一瞬の出来事だった。
俺を突き飛ばした彼の身体は、
ダンプに跳ねとばされ、宙に舞った。

まるで、
スローモーションを見ているような...
声も出なかった。

集まってきた通行人が口々に騒いでいるのも、
俺は遠くに聞いていた。


あれから2年。
翔は目を覚まさない。
始め繋がれていた沢山のチューブも、
少しずつ減り、今は胸に張られた何本かの線と、
点滴だけになった。


それでも、翔は目を開けない。

どんなに呼びかけても、だ。



「潤。夕飯は?まだでしょ?
今日は、母さんたちもいないから、家くる?」

「うん...そうする」

「泊まってくでしょ?」

「...うん」



ゆっくり雅紀の顔が近づく。

俺は、静かに目を閉じた。


ベッドの翔を挟んで、
俺たちは唇を重ねた。

雅紀が俺の首を引き寄せると、
俺は、自然と口が薄く開き、
当たり前のように、そこに雅紀は舌を差し込んだ。

翔の前で、という背徳感が、
俺たちを一層駆り立ててしまう。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp