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第12章 心の鎖 by みきちん
ゆっくり目を開けると心配そうに覗きこむ潤がいた。
「大丈夫か?心配して雅紀の家来たら応答なくて、入ったら玄関で倒れてたから」
「ベッドまで運んでくれたんだ。ありがとう」
「かなりうなされてたけど、どう……」
また、あの言葉が脳裏をよぎった。
「もう大丈夫だから、か……」
「帰らない」
俺の言葉を遮るように潤に抱き締められた。
「離して」
「離さない」
さっきより強い力で抱き締められる。
「一緒にいたら潤まで不幸に」
「不幸かどうかは俺が決める。雅紀や他人が決めることじゃない」
見上げた潤の顔は力強いけど目は優しくて。
「全部、話してみ?」
俺は潤にすべて話した。
お姉ちゃんの事
いつも見る夢
さっき見た夢
すると潤は首にかかっているネックレスを見せてくれた。
そこには鍵のチャーム。
「あっ……」
「昔、雅紀がプレゼントしてくれたやつ。これでお前の過去の呪縛から解放してやる。だから、一緒に前に進もう」
「俺、潤を好きでいていいの?」
「雅紀がそばにいたら俺は不幸にはならない」
「ありがとう……」
お姉ちゃん、
俺幸せになるね、潤と一緒に……
END