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第24章 まほろばの家 byアロエリーナ・のさまじょ・millie
「翔に頭撫でられると、安心する」
和也は目を閉じて、気持ち良さそうに微笑んだ。
「もう遅いから、眠ろうか。和也‥」
そうは言っても、窓の外から煩い風音。
「今夜は、風が強いね?家‥壊れないかな」
和也は、不安そうに窓を見つめた。
「ここ山だし、小屋だからな‥でも大丈夫。
俺が起きて、見張ってるから‥寝よう?」
「ん~‥眠れない。そうだ、昔話してよ。
翔がお医者さんだった頃の話、聞きたい」
和也は、無垢な子供のように
瞳をキラキラ輝かせて、俺を見つめてる。
くそぅ‥そんな可愛いおねだりされたら、
絶対断れないじゃないか‥
「そうだなぁ‥じゃあ、長期入院してた
コレやる婆ちゃんの話しようか」
「‥プッ!なにそれ、何でもくれるの?」
「もぅ‥ネタバレしちゃったじゃん‥」
願わくば、この笑顔を百年先も見ていたい。
叶わずとも、一秒でも多く、永らえたい。
二人きりで、残された時間を生きよう。
俺の想いは、胸に秘めたまま‥‥
「じゃあ今度は、今はご隠居生活してる
元腕利き医師の、昔話をしてよ」