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Welcome to our party abr 気象系BL

第22章 Orange blossom by みきちん


毎日会いたい……

休み時間になる度に廊下に出て
櫻井先生を探した。

見つからないときは
理科準備室にまで押しかけた。

それが一年以上続いた。

他愛もない話がほとんどだったが
物理の話をする機会が増えた。

その時の櫻井先生は
イキイキしてて、カッコよくて……

物理の知識が増えてきた頃
櫻井先生は週に1回、
俺にだけ宿題を出してくれるようになった。

俺にだけという『特別』が嬉しかった。

でも、この頃から時々
櫻井先生が思いつめたような
表情をするようになった。

何も力になれないまま時間だけが
過ぎていく。

3年になった頃、会える時間が減った。

俺は行きたい大学があった。

櫻井先生の母校。

物理以外の成績がイマイチで
大学合格は厳しい状態。

会いたい気持ちを抑えて
必死に勉強した。

世間がもうすぐ
クリスマスだって賑わっていたころ
俺は国文の準備室に缶詰状態だった。

今日の補修を終え、ボーッと歩いていて
気がついたら理科準備室の前にいた。

俺は明かりもつけず
櫻井先生がいつも座ってた椅子に座った。

ほんのり櫻井先生の香りがして。

無性に会いたくなった。
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