Welcome to our party abr 気象系BL
第20章 真夏の雨 by millie
あんな顔…見たことなかった。
俺は…焦った。
このままじゃ智兄を取られると思った。
その後どうやって家に戻ったか覚えてない。
ただ帰ってきた智兄に抱きつき、想いを伝えた。
智兄はいつものようにふにゃっと笑って…でも「ごめん」って言った。
その後、智兄はNYに行ってしまった。
元々決まってた留学を早めたと聞いた。
そして…あの図書館で翔と出会った。
最初は気が付かなかった。
翔があの男の子だって。
たまたま初恋の話になってその時気付いた。
そして…今も俺の後ろに智兄をみてることも…。
「翔くんの初恋の人でしょ?
智兄って」
翔の目を見つめながら聞く。
別れの予感を感じながら。
「会いたい?
今も…忘れてないでしょ?」
眼に映る翔の顔が揺れる。
翔の指が俺の目元を拭う。
「会わないよ…。
会ってもなにもないよ。
もう、終わったことだから。
俺が愛してるのは、和だから…」
「俺、不安だったの。
翔ちゃんを智兄に取られるんじゃないかって」
「不安にさせてごめん。
愛してるよ、和」
抱き締められ翔の温かさに包まれる。
初恋は実らないって本当だ。
でも俺は手にいれた。
本当の愛を…。
<Fin>