第3章 保健医×にのみや先生
ぐいぐいと腕を引っ張られて、
まんまと授業をさぼった私は、理科準備室で二人きり、
相葉先生がフラスコで作った謎のお茶を飲まされていた。
「ど?ど?美味しい?」
『いやあ…なんか苦いです』
「あちゃー、失敗か」
もしかして私実験台にされてる?
フラスコから立ち上る緑色の煙。
これは本当にお腹壊しそう…
ていうかなんか、急に暑くなってきたんだけど…なに?もしかしてなんかこのお茶のせいかな…
しゅるしゅると胸のスカーフを解いて、隣の椅子の背もたれにかける。
「暑い?俺もなんかさっきからすげー暑いの!なんでだろーな、生姜とか入れてないんだけどな!」
『えー…ちょっと変なもん飲ませないでくださいよ…』
ま、お腹壊したらまた二宮先生に会いに行く口実できるし、
それはそれでいっか…
なんて、ほんと二宮先生中心にしか考えられない、この思考回路。