第74章 融和

ケイト「なら…

ナイフと引き換えに、少し試したいことがある。
魔界に移動させて欲しい、今消した彼等彼女等を」

ベリアル「…何？」

ケイト「魔界は…どうせ消さなければならない世界だ。
永遠に影響がないとは限らないから。

もし仮に、幸せな日々のみ堪能したとして改心できなければ…成長できなければ…
ただ送っただけで、自然に魔界ごと消えることになる。癌の世界になるから…
改心できれば…癌の世界ではなくなる。

……悪い話ではないと、思う…


私は…出来ることなら、一緒に暮らしたい。
でも無理だから…

死ねと、お願いするようなものだから…する訳にはいかない」


ベリアル「……‥正気か？」

ケイト「うん」

真剣な表情で頷くそれに、ベリアルは愕然とした表情を隠せなかった…

その折、ケイトの額に再びマークが浮かんだ…


始祖神の、太陽の記号…『⦿』を


そこから始祖神が出てきて言った…

始祖神「彼女の言う通りにしてあげて。
彼女、必死に考えたのよ？^^」←ケイトの後ろに立ち肩を持つ

ベリアル「お言葉ですが…こちらの世界では」
始祖神「ええ、消したままで構わない。

魔界に、消したそれのみ空間指定で移動させて巻き戻して。
それだけで…わかるわ」

ケイト「ケチをつけるような真似をしてしまって、本当に、ごめんなさい」深々お辞儀


ベリアル「全部、自分の思い通りにしたいのか？」

ケイト「違う。
皆の、思い描く理想を、加味した上で、やりたいだけだ（真剣）

一番叶えたい、その部分だけでも、汲み取りたいだけだ。


無視したやり方を、一方的なそれを…私は、笑って、見過ごしたりなんかは出来ない。

だから…殺してくれた。縫い留めて、動けなくしてくれた。
わかってるんだ…


でも…それでも………私は…可能性を信じたい」真っ直ぐにベリアルの双眸を見据える


ベリアル「……また、封印しなければならない神が現われても、か？」

ケイト「お釣りが来るでしょ？

魔界が役割を終えたのは極々最近、創世神様の力を消す為に使わなくて済む。
だから負担は楽になるはず」
ベリアル「お前が決めることではない。
介入すべきことでもない」

ケイト「……

知ってる」
ベリアル「それが傲りだと何故気付かん！！？」

ケイト「気付いてる…それでも……

何もせずにいられない」